2025/03/02 (更新日:2025/03/02)
脊柱管狭窄症は手術すれば本当に治るのか?
手術すれば本当に治るのか?
脊柱管狭窄症と診断されたとき、多くの人が
「手術をすれば確実に治るのか?」
と考えるでしょう。
確かに、手術は狭窄した部分を直接取り除く治療法であり、症状の改善が期待できる方法のひとつです。しかし、現実には
「手術を受けたのに痛みやしびれが残っている」
「期待したほどの回復が得られなかった」
という声も少なくありません。
もし、手術で100%治るのであれば、誰もが迷わず手術を選ぶはずです。
それでも多くの人が手術をためらうのは、なぜでしょうか?
それは、手術が狭窄そのものを取り除くことはできても、「症状の本当の原因」を解決できるとは限らないからです。
狭窄がある=痛みの原因とは限らない
私はこれまでに人体解剖研修を通じて、実際に脊柱管狭窄症の状態を観察してきました。その際、外科医から次のような話を伺いました。
「馬尾神経が圧迫されていなければ、痛みやしびれは起こらない」
これは非常に重要なポイントです。
MRIやレントゲンで脊柱管が狭くなっているからといって、それが必ずしも痛みやしびれの原因とは限りません。
実際に、狭窄があっても痛みのない人もいれば、逆に手術を受けて狭窄を取り除いたにもかかわらず痛みが残る人もいます。この違いはどこから生まれるのでしょうか?
それは、痛みやしびれの原因が「神経の圧迫」だけではなく、筋肉や関節の硬さ、血流の悪化、姿勢の崩れ、生活習慣の問題など、さまざまな要因が絡み合っているからです。
手術を受けても、こんなケースがある
手術を受けた後にも、以下のようなケースが見られます。
- 痛みやしびれが改善しない
→ そもそも狭窄が原因ではなかった可能性がある - 一時的に良くなったが、再発した
→ 生活習慣や身体の使い方に問題がある - 新たな痛みが出た
→ 手術後の回復過程で体のバランスが崩れた - ほかの部位に負担がかかり、新たな不調が発生
また、手術をすれば終わりというわけではなく、術後にはリハビリが必要になります。
特に、長年にわたって悪い姿勢や動きのクセが身についている場合、それを改善しなければ、いくら狭窄を取り除いてもまた別の問題が生じる可能性が高いのです。
手術の前に、できることはないか?
このように考えると、**「手術をする前にできることはないか?」**を検討することが非常に重要です。
実際に、適切な運動療法や生活習慣の改善を行うことで、手術をせずに症状を軽減できるケースも少なくありません。
たとえば、
- 骨盤や腰椎の柔軟性を高める
- 筋肉の緊張を和らげるストレッチを行う
- 腹圧を高めて体幹を安定させる
- 姿勢を見直し、腰への負担を減らす
こういった取り組みを継続することで、狭窄症の痛みやしびれが改善することもあります。
結論:手術だけが答えではない
脊柱管狭窄症による痛みやしびれを和らげる方法は、手術だけではありません。
むしろ、身体全体の状態を見直し、動きを改善することで、より良い結果を得られる可能性が高いのです。
手術を検討する前に、まずは自分の体と向き合い、できることを試してみることが大切です。
手術は、最終手段として選択するもの。
その前に、「本当にそれしか方法がないのか?」を考え、自分に合った改善策を探ることが、より良い結果につながるのではないでしょうか
